入学式の頃からって、私が入学する前、まだ中3だった頃だから。
先輩は1年以上ずっと元生徒会長さんを想い続けているんだ。
「私もうフラれちゃったもん…」
「え…」
「“タイプじゃない”って言われちゃって」
「は!?何で!?あの態度で、フラれ…!?」
困惑している紗奈ちゃんをどうにかして落ち着かせようと必死に経緯を説明する。
その時思った。
嫌われるまではアタックするって決めたけど…
『先輩の好きな人…、元生徒会長って噂なんだけど…もしかしてそれも知ってたりする?』
先輩は、きっと、元生徒会長さんのことしか見えてないんだ。
あの時、デートをOKしてくれたのは、“文化祭までの仕方ない付き合い”だから。
先輩の優しさ。ただただお詫びだけのデート。
私、本当にバカだな。
なんで、こんな事実今更気づいちゃったんだろう。
ーーーううん、違う。
分かってたけど、知らないフリをしていたんだ。
先輩のそばにいれる可能性を信じていたから。
「彩ちゃん…」
「そそ、そうだ!私また補習今日あるんだった!」
話を終えて紗奈ちゃんの心配そうな声でハッと我に帰り、いつものようにニコニコ笑う。
「え、えぇ?何の補習なの?紗奈もついていこうか?」
「数学の補習入っちゃったんだ、あはは…」
気を遣ってくれたのか、これ以上富谷先輩の話をしないように話を逸らした私の話に乗って来てくれた紗奈ちゃん。
気遣わせた申し訳なさと気遣ってくれた嬉しさが私の中で入り混じる。
紗奈ちゃんが、この話に乗ってくれてるんだ。
だからーーーー笑って、私。
いつもみたいにニコニコ全力スマイルして。
「彩」
先輩は1年以上ずっと元生徒会長さんを想い続けているんだ。
「私もうフラれちゃったもん…」
「え…」
「“タイプじゃない”って言われちゃって」
「は!?何で!?あの態度で、フラれ…!?」
困惑している紗奈ちゃんをどうにかして落ち着かせようと必死に経緯を説明する。
その時思った。
嫌われるまではアタックするって決めたけど…
『先輩の好きな人…、元生徒会長って噂なんだけど…もしかしてそれも知ってたりする?』
先輩は、きっと、元生徒会長さんのことしか見えてないんだ。
あの時、デートをOKしてくれたのは、“文化祭までの仕方ない付き合い”だから。
先輩の優しさ。ただただお詫びだけのデート。
私、本当にバカだな。
なんで、こんな事実今更気づいちゃったんだろう。
ーーーううん、違う。
分かってたけど、知らないフリをしていたんだ。
先輩のそばにいれる可能性を信じていたから。
「彩ちゃん…」
「そそ、そうだ!私また補習今日あるんだった!」
話を終えて紗奈ちゃんの心配そうな声でハッと我に帰り、いつものようにニコニコ笑う。
「え、えぇ?何の補習なの?紗奈もついていこうか?」
「数学の補習入っちゃったんだ、あはは…」
気を遣ってくれたのか、これ以上富谷先輩の話をしないように話を逸らした私の話に乗って来てくれた紗奈ちゃん。
気遣わせた申し訳なさと気遣ってくれた嬉しさが私の中で入り混じる。
紗奈ちゃんが、この話に乗ってくれてるんだ。
だからーーーー笑って、私。
いつもみたいにニコニコ全力スマイルして。
「彩」