紗奈ちゃん、怖い。


怒らせないようにしよう…あはは…。


「あ、そういえば…」


紗奈ちゃんは何かを思い出し、龍輝の襟元を放った。


「?どうしたの、紗奈ちゃん」


「あ、いや、その…ま、また昼休みでもいいかな?」


「えっ」


今じゃダメなの…?


「あーえっと、ちょっと大事な話で、ほ、ほら!


気持ちを整理したいとかあるからさ!」


「なるほど…」


キーンコーンカーンコーン…


紗奈ちゃんの話が終わった時、ちょうどチャイムが鳴る。


「じゃ、じゃあ、彩ちゃん!またお昼休みに!」


このタイミングを待っていたかのように紗奈ちゃんはチャイムが鳴り終わった時、慌てて自分の席に戻って行った。


私もそれに連なって自分の席に戻る。


気持ちの整理…そっか。大事だよね。


大事な話……もしかして紗奈ちゃんが転校しちゃうとか?


……ありえなくはないよね。


「「……」」


紗奈ちゃんを心配そうに眺めていた私を何かを察して私を心配そうに見つめる怜実と龍輝には気がつかなかった。



そしてあっという間にお昼休み。


「紗奈ちゃんっ!」


紗奈ちゃんの座っている方へ行き、近くにある机を借りてくっつける。


「彩ちゃん!あ、お弁当持って来てくれたの?」


「うん、話、聞きながら食べたいし」