「ばっ!!」


「!!?りゅ、龍輝!?」


背後から私を驚かせて、


いたずらっ子みたいな顔をしたのは、


同じクラスで幼なじみである坂井 龍輝(さかい りゅうき)だ。


「びっくりしたでしょ?」


「心臓止まるかと思ったよ…!」


「へぇ、彩の心臓って器用なんだね~」


「真に受けなくていいから!」


こうやって、しょうもないちょっかいをよくかけてくる。


こういう男子の心理って…よくわかんない。


「ほんと2人仲いいわね~」


怜実は私たち2人をじっと見る。


「いやいや仲良くないから!」


私はすぐさま否定。


誰がこんな奴と仲良くするんだ…!


「ショックだよ、彩。俺ら腐れ縁じゃん」


「ゔ。」


龍輝の言う"腐れ縁"は、間違いでは、ない。


一応、保育園の頃から一緒で、クラスもなぜか1回も離れたことがない。


それがずっと続いて、もう10年経った。