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「さぎり。一人で無茶ばかりするでない」
「崇史様」
「漸く休暇が取れた。希海は暫く俺が見るから、お前は体を休めろ」
「ですが」
「いいから」
そうやって、さぎりを布団に押し込み、火傷に軟膏を塗る様は、まるで甲斐甲斐しい夫のようで、さぎりはくすぐったく思ったことを今でも覚えている。
その後も、希海とさぎりにお守りを作って渡してきたり、「危ない時は俺を呼べ」と再三に渡って言いつけてきたりと、それはそれは心配症の主人だったのだ。
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