「そんなの、カレンダーを見ればわかるじゃない」
優莉奈はパソコン画面から視線をそらさずに答える。

俊介も仕事に打ち込んでいて、マイちゃんの言葉も届いていない様子だ。
「そうじゃなくて! デートの予定とかないんですかぁ?」

それが聞きたかったのかとため息を吐き出して手を止める。
今日は仕事が多くてデートのことを考えている余裕なんてなかった。

明日デートしたいのでああれば、まずは目の前の業務を片付ける必要がある。
「デートの前にこの仕事を片付ける必要があるんだけど、マイちゃんわかってる?」

マイちゃんはさっきから手が止まったままだ。
仕事が多いと集中力が持続しなくなってしまうのが、マイちゃんの欠点だった。

「わかってますけどぉ、飽きてきちゃって」
「仕事に飽きるとか、聞いたことないけど」

「嘘ぉ? 先輩のまわりの人たち、どれだけ仕事好きなんですかぁ?」