それもそうだ。
「って、私は別に話を聞いてほしいわけじゃないし」

慌ててコーヒーを入れて給湯室から出る。
そのままの足で休憩室へ入っていくと、マイちゃんが後ろからついてきた。

「ま、先輩がどんな恋愛しようが関係ないですけど、でも興味はありますよねぇ」
「マイちゃんはそういうことに興味を持ちすぎなのよ」

ため息まじりに言うと、マイちゃんは首をかしげた。
「そりゃあだって、先輩は仕事も先輩でもありますけど、人生の先輩でもありますしぃ。その先輩がどんな恋愛をこれからしていくのか、聞きたくもなりません?」

なんだかいいように丸め込まれている気がする。
このままじゃ私の心の中をすべて暴露させられてしまいそうだ。

優莉奈は咳払いをしてコーヒーを一口飲む。