「別に、食事をしただけ」
なんでもない風に言ってみたけれど、マイちゃんはすぐに目を輝かせた。


「いいなぁ! 小野木さんと食事なんてしちゃって。他の女性社員に恨まれますよ、絶対に!」

そんな嫌なことを強調して言わなくてもいいのに。
もしかしてマイちゃんも嫉妬してるタイプかな?

そんなことを考えてふくれっ面になっているところへ俊介がやってきた。
「はよ~」

朝から間抜けな声になんだか脱力してしまう。
よく見ればいつもは髪の毛もちゃんと整えているのに、今日は後ろのほうが寝癖で立っている。
目もしょぼしょぼさせていて明らかに眠り足りていないみたいだ。

「寝てないの?」
俊介は欠伸をしながら席に座り、それから「そうなんだよな」と、頷いた。

「だけど谷川さんの肌もツヤツヤしてません?」