ご飯は美味しかったし会話も楽しかった。
だけど気づかれした部分が多くあったかもしれない。

「でもまぁ、付き合い始めのカップルってこんなもんだし」
と、呟いて一樹とはまだ正式に付き合い始めていないことを思い出し、ひとりで赤面してしまった。

私ってば先走りすぎなんだよね。
先走って考えすぎれば、この恋もまた失敗するかもしれない。

「気をつけなきゃ」
自分にそう言い聞かせて浴室へと向かったのだった。