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つ、疲れた……。
ようやく湯船に体をつかることができた優莉奈は真っ白な天井を見つめた。

無意識のうちに大きなため息が出てしまう。
仕事とは別のずっしりとした疲れが全身を覆い尽くしている。

下手をすればこのまま湯船で眠ってしまいそうだ。


どうして私はこんなことをしているんだろうと、掃除中はずっと考えていた。
だけどこうしていいお風呂に一番に入れたことは感謝している。

本当に、ただそれだけだけれど。

疲れた体を十分に伸ばせるスペースのある湯船は優莉奈の憧れだった。
いつか自分のこんなマンションに暮らすことができればと、考えたこともある。

でも、今日の出来事で広ければ広いほど掃除が大変なことがわかってしまった。
やっぱり、自分の掃除できる範囲の部屋が一番いいいのかも。

お風呂でしっかり温まってから脱衣所に出るとそこには一樹の私服が用意されていた。