「優茉...」

 再び私を見下ろす瞳には、先程とは違い情欲が色濃く滲んでいる。

 ドクンッと心臓が跳ね上がるのを感じ、思わず顔を背ける。


 「だめ。見てて?」


 頬に手を添えられ、目を逸らすのは許さないとばかりに顔を戻される。


 「ちゃんと見てて。ずっと、俺のことだけ」


 再び落ちてきたキスは先程よりもずっと熱く荒々しい。

 頭の中までとろけていくような感覚に酔いしれていると、頬に添えていた右手は意志を持って身体を滑っていく。


 ベッドに降ろされた時は、羞恥でどうにかなりそうだったはずなのに今は...。

  早くその手でたくさん触れて欲しい...

 もっとたくさんキスして欲しい...


 私の中に、こんなに淫らな欲求があったなんて...


彼に愛されるまでは、知らなかった。