贅沢な景色を満喫してから船内へと戻ると、いつになく柔らかい表情でワインを片手に話し込んでいる二人。

 最初の雰囲気に内心ドキドキしていた私は、そんな二人の姿がとても嬉しかった。

 「二人とも楽しそうだね」

 「そうですね、安心しました」

 柊哉さんを見上げると、彼もほっとしたようで優しい笑みを浮かべていた。


 ホテルに着きそれぞれ部屋へと戻ると、少しだけ口にしたワインのせいか一気に眠気が襲ってきた。

 「優茉、疲れちゃった? お湯入れたから一緒に入って寝よう?」

 そう言いながら、ソファでうとうとしていた私を抱き上げてバスルームへと向かう。

 「っ、柊哉さん...歩けます」

 「そう?今にも寝ちゃいそうな顔してるよ。今日はたくさん歩いたし、疲れたでしょ?」

 バスルームで降ろされるとそのままワンピースも脱がされ、眠気とアルコールで頭がふわふわとしてすぐに反応できない私は、彼にされるがまま身体も洗われ抱き上げられてお湯に入った。

 「ふふっ、酔ってるね優茉。とろんとした顔して、もう瞼が落ちちゃいそう」

 「んー、眠たいです。でもあったかくて気持ちいい...」

 無意識に温もりを求めて、彼の肌に身体を寄せてぎゅっと抱きつく。

 「...優茉、そんな事されたら我慢できなくなるよ?」

 耳元で聞こえた声に、頭で意味も理解しないまま単純に「我慢なんてして欲しくない」と思ったのが口から出ていたようで...

 気がつけば彼の指先と熱い舌で身体中を愛され、甘い声が溢れバスルームに響く。
 そこで私の意識は途絶え、次に目が覚めた時はバスローブを着てベッドに寝ていた。