柊哉side
ミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から出して渡し、ドライヤーで髪の毛を乾かしてあげると嬉しそうに時々俺を見上げている。
「んふふっ」と相変わらずご機嫌だ。シャワーを浴びても全くアルコールが抜けた様子はない。
「優茉?水たくさん飲んでよ?」
そう声をかければ、「はーい」とまたのんびり答えながら素直にこくこくと飲み始める。
優茉の髪の毛からはふわっと甘いシャンプーのいい香りがして、これはこれで心臓に悪かったが余計な事を考えないようにし、乾かし終えドライヤーを片付けてから戻ると、今度は唇を少し尖らせ不満そうな顔をしている。
...ん?さっきまでご機嫌だったよな?
近づくと右手で俺の手を掴んで、反対の手で自分が座っている横の座面を強めにポンポンと叩く。
隣に座ってということだと理解し優茉のすぐ横に腰掛けると、なぜか彼女はソファから降り床にぺたんと座る。
そして、どういう訳か俺の右足首と膝辺りを掴んで持ち上げようとしている。
...今度はなんだ?これはどういう...?
優茉が何をしたいのか分からず、とにかくされるがままになっていると、何故だか分からないがどうやら俺に胡座をかいて欲しいようなので体勢を変えてみる。
すると、優茉は満足そうにニコッとして立ち上がったかと思えば、そのまま俺の肩に手を置き胡座をかいた脚に跨るようにして座りぎゅっと抱きついてきた。
「っ、ちょっ...」
突然の予想外の行動に、思考が停止し動けない俺を、彼女は不思議そうに覗き込んでくる。
そして、今度は俺の腕を掴んで自分に巻きつけるように引っ張り「ぎゅってするの!」とまた口を尖らせる。
「え? ああ...」
我に返り両手で優茉の身体を抱きしめると、また満足そうに俺の肩に頭を乗せ耳元で「ふふっ」とご機嫌に笑っている。
...この体勢は、ちょっと、まずいな
ぴったりと密着している優茉の温かくて柔らかい身体、耳元で聞こえる息遣い、ふわっと香る甘い匂い...
それらを感じてしまうと、もう衝動を抑えられる自信がなかった。
気を紛らわせる為なんとか対極の事を考えようと、オペの術式を頭の中に並べ始めるが、そんな俺の状況など知る由もない優茉は...
「なでなで、して?」と俺の左手を自分の頭に持っていくので、そのまましばらく頭を撫でていると、少しずつ身体から力が抜けていくのがわかった。
そしてしばらくすると、耳元ですーすーっと寝息が聞こえてくる。
...はぁ。優茉、もう勘弁して...
何度か深呼吸をして気を鎮めてから、そのまま彼女を抱き上げ寝室まで運んだ。もう完全に熟睡している優茉は、ベッドに寝かせるとパタンと両手を顔の横に置いてあどけない寝姿をみせる。
今日は精神衛生上、もう彼女の近くにいない方がいいだろうと思い、寝室を出ていつもより熱めのシャワーを浴びソファに横になった。
今後は絶対に優茉には外で飲まないように言い聞かせておこう。まぁ、今日も飲む気はなかったのだろうけど。
まさか、あれほどまでに甘えるようになるとは...。でもあれが優茉の本心なのか?本当は普段からもっと甘えたいと思っているのだろうか...
そして、それはそういう意味でのアピールだったのか...?
優茉の事を考えてしまいなかなか眠気が訪れず、ソファの上で何度も寝返りを打った。
ミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から出して渡し、ドライヤーで髪の毛を乾かしてあげると嬉しそうに時々俺を見上げている。
「んふふっ」と相変わらずご機嫌だ。シャワーを浴びても全くアルコールが抜けた様子はない。
「優茉?水たくさん飲んでよ?」
そう声をかければ、「はーい」とまたのんびり答えながら素直にこくこくと飲み始める。
優茉の髪の毛からはふわっと甘いシャンプーのいい香りがして、これはこれで心臓に悪かったが余計な事を考えないようにし、乾かし終えドライヤーを片付けてから戻ると、今度は唇を少し尖らせ不満そうな顔をしている。
...ん?さっきまでご機嫌だったよな?
近づくと右手で俺の手を掴んで、反対の手で自分が座っている横の座面を強めにポンポンと叩く。
隣に座ってということだと理解し優茉のすぐ横に腰掛けると、なぜか彼女はソファから降り床にぺたんと座る。
そして、どういう訳か俺の右足首と膝辺りを掴んで持ち上げようとしている。
...今度はなんだ?これはどういう...?
優茉が何をしたいのか分からず、とにかくされるがままになっていると、何故だか分からないがどうやら俺に胡座をかいて欲しいようなので体勢を変えてみる。
すると、優茉は満足そうにニコッとして立ち上がったかと思えば、そのまま俺の肩に手を置き胡座をかいた脚に跨るようにして座りぎゅっと抱きついてきた。
「っ、ちょっ...」
突然の予想外の行動に、思考が停止し動けない俺を、彼女は不思議そうに覗き込んでくる。
そして、今度は俺の腕を掴んで自分に巻きつけるように引っ張り「ぎゅってするの!」とまた口を尖らせる。
「え? ああ...」
我に返り両手で優茉の身体を抱きしめると、また満足そうに俺の肩に頭を乗せ耳元で「ふふっ」とご機嫌に笑っている。
...この体勢は、ちょっと、まずいな
ぴったりと密着している優茉の温かくて柔らかい身体、耳元で聞こえる息遣い、ふわっと香る甘い匂い...
それらを感じてしまうと、もう衝動を抑えられる自信がなかった。
気を紛らわせる為なんとか対極の事を考えようと、オペの術式を頭の中に並べ始めるが、そんな俺の状況など知る由もない優茉は...
「なでなで、して?」と俺の左手を自分の頭に持っていくので、そのまましばらく頭を撫でていると、少しずつ身体から力が抜けていくのがわかった。
そしてしばらくすると、耳元ですーすーっと寝息が聞こえてくる。
...はぁ。優茉、もう勘弁して...
何度か深呼吸をして気を鎮めてから、そのまま彼女を抱き上げ寝室まで運んだ。もう完全に熟睡している優茉は、ベッドに寝かせるとパタンと両手を顔の横に置いてあどけない寝姿をみせる。
今日は精神衛生上、もう彼女の近くにいない方がいいだろうと思い、寝室を出ていつもより熱めのシャワーを浴びソファに横になった。
今後は絶対に優茉には外で飲まないように言い聞かせておこう。まぁ、今日も飲む気はなかったのだろうけど。
まさか、あれほどまでに甘えるようになるとは...。でもあれが優茉の本心なのか?本当は普段からもっと甘えたいと思っているのだろうか...
そして、それはそういう意味でのアピールだったのか...?
優茉の事を考えてしまいなかなか眠気が訪れず、ソファの上で何度も寝返りを打った。