柊哉side
さて、と...。
車に乗り込むと、優茉はまたうとうとと無防備な姿で眠っている。思わず唇に触れたくなる衝動を抑えて、起きないよう静かにアクセルを踏んだ。
マンションの駐車場に着き車を停めてから、どうしようかと少し迷ったが起こす事に決め声をかける。
「優茉?着いたよ、起きて?」
頭を撫でながらそう言うとゆっくりと瞼あげ、とろんとした目で見つめてくる。
またしてもドクンっと心臓が強く打ち付けるのを感じ、それを振り切る様に車を降り助手席のドアを開ける。
「優茉?歩ける?」
こくんと頷くので、ふらつく足元に気をつけながら歩き鍵を開け玄関に入ると、たまらず優茉を抱きしめた。すると「んー」と可愛い声を出しながら俺の胸に顔を擦り付けている。
顎を掬って唇を塞げば、いつもよりも力が抜けた柔らかい感触。思わず啄むように何度も優茉の唇を堪能していると、時折「んっ」と鼻にかかる甘い声が漏れ、昂りを感じ一度ぎゅっとしてから離したが、彼女はもっとというような顔で見上げながら俺のシャツを掴んでいる。
......これは、アピール、なのか?
頭の中で、翔と伊織の言葉が再生され何度もせめぎ合う。
...いや、ダメだよな。伊織の言う通り酔った勢いはよくない。それにもしも今抱いても、優茉はおそらく覚えていないだろう...。
そう思い直しグッと堪えて、彼女の手を引きお風呂場まで連れて行った。
「シャワー浴びておいで?出るまでドアの前で待っているから、何かあったら言って」
「はーい」とのんびりとした返事をしながら、俺の目の前でブラウスのボタンを外し始めたので慌ててドアを閉めた。
ふぅ、酔っ払うと優茉はあんな感じになるんだな...。とんでもなく可愛いが、今の俺には酷だ...。
シャワーの音が聞こえてきたので、コートを置きに一旦離れると、お風呂場から優茉の声が聞こえた気がして急いで戻る。
「優茉?どうした?」
「んふふ、呼んでみただけです。ほんとに待っててくれてるんですね!」とご機嫌そうに言う彼女。
とりあえず何もなくてよかったが...。はぁ、と思わずため息が漏れた。
そして、その後も数分おきに彼女は俺を呼んだ。もう本当に俺が近くにいるかを確かめる為ではなく、ただ呼ぶのが楽しくなっているだけだろう。
髪の毛洗い終わりました、もう少しで出ますなど逐一状況を報告している。
とにかくお風呂から出たら、水を飲ませてすぐに寝かせよう...。そんな事を考えながら、扉の横で壁に背を預け優茉の呼びかけに答えていた。
少ししてお風呂の扉が閉まる音が聞こえ、優茉の声も近くなる。
「着替え終わりました」と言うので扉を開ければ、ズボンは履いているが上はキャミソール一枚で髪の毛をタオルで拭いている優茉の姿。
そして普段ならありえないだろうが、今はその格好を全く気にしている様子もなく、「ずっと待っててくれて嬉しいです」とニコニコしている。
とにかく余計なところは見ないようにし、すぐにパジャマを着せてドライヤーを手に優茉をソファまで連れて行った。
さて、と...。
車に乗り込むと、優茉はまたうとうとと無防備な姿で眠っている。思わず唇に触れたくなる衝動を抑えて、起きないよう静かにアクセルを踏んだ。
マンションの駐車場に着き車を停めてから、どうしようかと少し迷ったが起こす事に決め声をかける。
「優茉?着いたよ、起きて?」
頭を撫でながらそう言うとゆっくりと瞼あげ、とろんとした目で見つめてくる。
またしてもドクンっと心臓が強く打ち付けるのを感じ、それを振り切る様に車を降り助手席のドアを開ける。
「優茉?歩ける?」
こくんと頷くので、ふらつく足元に気をつけながら歩き鍵を開け玄関に入ると、たまらず優茉を抱きしめた。すると「んー」と可愛い声を出しながら俺の胸に顔を擦り付けている。
顎を掬って唇を塞げば、いつもよりも力が抜けた柔らかい感触。思わず啄むように何度も優茉の唇を堪能していると、時折「んっ」と鼻にかかる甘い声が漏れ、昂りを感じ一度ぎゅっとしてから離したが、彼女はもっとというような顔で見上げながら俺のシャツを掴んでいる。
......これは、アピール、なのか?
頭の中で、翔と伊織の言葉が再生され何度もせめぎ合う。
...いや、ダメだよな。伊織の言う通り酔った勢いはよくない。それにもしも今抱いても、優茉はおそらく覚えていないだろう...。
そう思い直しグッと堪えて、彼女の手を引きお風呂場まで連れて行った。
「シャワー浴びておいで?出るまでドアの前で待っているから、何かあったら言って」
「はーい」とのんびりとした返事をしながら、俺の目の前でブラウスのボタンを外し始めたので慌ててドアを閉めた。
ふぅ、酔っ払うと優茉はあんな感じになるんだな...。とんでもなく可愛いが、今の俺には酷だ...。
シャワーの音が聞こえてきたので、コートを置きに一旦離れると、お風呂場から優茉の声が聞こえた気がして急いで戻る。
「優茉?どうした?」
「んふふ、呼んでみただけです。ほんとに待っててくれてるんですね!」とご機嫌そうに言う彼女。
とりあえず何もなくてよかったが...。はぁ、と思わずため息が漏れた。
そして、その後も数分おきに彼女は俺を呼んだ。もう本当に俺が近くにいるかを確かめる為ではなく、ただ呼ぶのが楽しくなっているだけだろう。
髪の毛洗い終わりました、もう少しで出ますなど逐一状況を報告している。
とにかくお風呂から出たら、水を飲ませてすぐに寝かせよう...。そんな事を考えながら、扉の横で壁に背を預け優茉の呼びかけに答えていた。
少ししてお風呂の扉が閉まる音が聞こえ、優茉の声も近くなる。
「着替え終わりました」と言うので扉を開ければ、ズボンは履いているが上はキャミソール一枚で髪の毛をタオルで拭いている優茉の姿。
そして普段ならありえないだろうが、今はその格好を全く気にしている様子もなく、「ずっと待っててくれて嬉しいです」とニコニコしている。
とにかく余計なところは見ないようにし、すぐにパジャマを着せてドライヤーを手に優茉をソファまで連れて行った。