柊哉side
深夜に帰ると、当然ながら家の中は真っ暗でシーンと静まり返っている。
寝室を覗くといつもの場所に優茉がいない。一瞬何処かに行ってしまったのかと焦ったが、すぐに反対側に膨らみがあるのを見つけた。
なぜこっちで寝ているのだろうと、その膨らみを覗き込むと俺がいつも使っている毛布をすっぽりと頭まで被り、目と鼻だけ出している優茉の姿が。
...なぜ俺の毛布を?寒かったのか?それとも...
自分に都合の良い想像が頭に浮かびニヤけそうになるのを堪えて、とりあえずシャワーを浴びてからすぐに寝室に戻った。
もし寂しくて俺の毛布に包まって寝たのだとしたら、可愛すぎるな...。
毛布ごと後ろから抱きしめ、俺は優茉の毛布をかけるとふわっと彼女の香りがして、なぜかドクンっと心臓が跳ねた。
...はぁ、そろそろ限界が近そうだな。
優茉は望んでいるように見えないし、おそらくあまり経験もないのだろう。だから、彼女のタイミングまで待つつもりだったが...待ってやれる自信がなくなってきた。
だが俺の一方的な欲をぶつけるのは絶対に間違っているから、やはり優茉がその気になるまで待つしかないか...。
翌朝、腕の中で優茉が寝返りをうつ感覚で目が覚め、ゆっくりと目を開けると俺を見上げている彼女と目が合った。そしてその瞬間、びくっと彼女の身体が揺れてすぐに俺の胸に顔を埋める。
...朝から可愛すぎて、困るな。
ぐっと抱き寄せながら、何度か深呼吸をして昂りそうになった気をなんとか鎮める。
「柊哉さん、帰ってたんですね...。院長、大事にならず本当によかったです。
あと...、毛布、使っちゃってごめんなさい...」
「ありがとう。毛布は気にしなくていいけど...なんで俺のを使っていたの?」
恥ずかしそうにしているのが可愛くて、頭を撫でながらわざと聞いてみる。
「え、えっと... あの... それは...。ね、寝ぼけていて、間違えたのかなぁって...」
明らかに動揺している優茉がおかしくて、もう少し意地悪な質問を続ける。
「そのわりには、俺が帰ってきた時、頭までしっかり被って寝ていたけど?」
「ええっと...、柊哉さんの、香りがしたから...その...つい、包まりたくなってしまって...」
観念したように頬を赤く染めながらそんな事を言う優茉を、たまらずぎゅっと抱き寄せる。
「ふふっ、可愛い。でも、昨日は一人にして本当にごめん。優茉のケーキも食べられなかったし」
「いえ、私は大丈夫です。ケーキ、よかったら今日食べますか?」
「うん、いただくよ。でも、優茉?大丈夫じゃなくて、ちゃんと本当の気持ちをぶつけて欲しい。どんな事も受け止めるし、一人で抱え込むのはやめようって約束だろう?」
「...わかりました。仕方ないのは分かっているんですけど...、このベッドで一人で眠るのが、少し、寂しいです...」
「うん、ごめんな。どうしても当直や急な呼び出しで帰れない時もあると思うけど、これからはなるべく一緒に眠ろう。
素直な気持ちを教えてくれてありがとう」
父さんに言われたからというわけではないが、きっと言葉にして伝え合わないと後悔する時がくる気がした。
深夜に帰ると、当然ながら家の中は真っ暗でシーンと静まり返っている。
寝室を覗くといつもの場所に優茉がいない。一瞬何処かに行ってしまったのかと焦ったが、すぐに反対側に膨らみがあるのを見つけた。
なぜこっちで寝ているのだろうと、その膨らみを覗き込むと俺がいつも使っている毛布をすっぽりと頭まで被り、目と鼻だけ出している優茉の姿が。
...なぜ俺の毛布を?寒かったのか?それとも...
自分に都合の良い想像が頭に浮かびニヤけそうになるのを堪えて、とりあえずシャワーを浴びてからすぐに寝室に戻った。
もし寂しくて俺の毛布に包まって寝たのだとしたら、可愛すぎるな...。
毛布ごと後ろから抱きしめ、俺は優茉の毛布をかけるとふわっと彼女の香りがして、なぜかドクンっと心臓が跳ねた。
...はぁ、そろそろ限界が近そうだな。
優茉は望んでいるように見えないし、おそらくあまり経験もないのだろう。だから、彼女のタイミングまで待つつもりだったが...待ってやれる自信がなくなってきた。
だが俺の一方的な欲をぶつけるのは絶対に間違っているから、やはり優茉がその気になるまで待つしかないか...。
翌朝、腕の中で優茉が寝返りをうつ感覚で目が覚め、ゆっくりと目を開けると俺を見上げている彼女と目が合った。そしてその瞬間、びくっと彼女の身体が揺れてすぐに俺の胸に顔を埋める。
...朝から可愛すぎて、困るな。
ぐっと抱き寄せながら、何度か深呼吸をして昂りそうになった気をなんとか鎮める。
「柊哉さん、帰ってたんですね...。院長、大事にならず本当によかったです。
あと...、毛布、使っちゃってごめんなさい...」
「ありがとう。毛布は気にしなくていいけど...なんで俺のを使っていたの?」
恥ずかしそうにしているのが可愛くて、頭を撫でながらわざと聞いてみる。
「え、えっと... あの... それは...。ね、寝ぼけていて、間違えたのかなぁって...」
明らかに動揺している優茉がおかしくて、もう少し意地悪な質問を続ける。
「そのわりには、俺が帰ってきた時、頭までしっかり被って寝ていたけど?」
「ええっと...、柊哉さんの、香りがしたから...その...つい、包まりたくなってしまって...」
観念したように頬を赤く染めながらそんな事を言う優茉を、たまらずぎゅっと抱き寄せる。
「ふふっ、可愛い。でも、昨日は一人にして本当にごめん。優茉のケーキも食べられなかったし」
「いえ、私は大丈夫です。ケーキ、よかったら今日食べますか?」
「うん、いただくよ。でも、優茉?大丈夫じゃなくて、ちゃんと本当の気持ちをぶつけて欲しい。どんな事も受け止めるし、一人で抱え込むのはやめようって約束だろう?」
「...わかりました。仕方ないのは分かっているんですけど...、このベッドで一人で眠るのが、少し、寂しいです...」
「うん、ごめんな。どうしても当直や急な呼び出しで帰れない時もあると思うけど、これからはなるべく一緒に眠ろう。
素直な気持ちを教えてくれてありがとう」
父さんに言われたからというわけではないが、きっと言葉にして伝え合わないと後悔する時がくる気がした。