お風呂でも色々と考えてしまい、結局長風呂になってしまった。

 リビングに戻ると、タブレットを膝に置いてソファに座ったままうとうとしている柊哉さんの姿が。
 やっぱり疲れているよね、お待たせしちゃって申し訳ない。

 側までいっても、眠ってしまっているようで起きない。...まつ毛、長いなぁ。初めて明るいところで寝顔を見たかもしれない。
 それにしても、改めて見るとパーツも配置も完璧に整いすぎている。寝顔まで綺麗なんて...ちょっとずるい。

 肌も綺麗...つい近くでまじまじと見つめてしまい、唇が目に入ってドキッとした。

 力が抜けて少し緩んでいる唇...

 触れてみたいという衝動に駆られ、気づけば人差し指でそっと唇をなぞっていた。

 柔らかい...そう思った瞬間、パチっと目が開いてガシッと手首を掴まれた。

 「っ! ご、ごめんなさい。つい触ってみたくなっちゃって...」

 「いいよ?いくらでも触って。俺の全部はもう優茉のものだから」

 カァっと顔が熱くなるのをはっきりと感じる。きっとすっぴんの顔は、耳まで真っ赤だろう。
 
 パッと彼から離れ顔を見られない様に俯いて、とにかく早くお風呂に入ってもらうように腕を引いて立ち上がらせバスルームまで背中を押して行った。

 でも扉を閉める時、しっかりと顔を覗き込まれて「ははっ、優茉顔真っ赤」そう楽しそうに言いながら、ガチャンと扉を閉めた。
 
 はぁ、ドキドキした...

 なんだか今日の柊哉さんは、一段と甘い...。

 本当の婚約者になれたからそう感じているのかな?でも、もしこれから毎日こうだと、もつかな?私の心臓...。