変な顔をされてしまったけれど───そう苦笑いを浮かべた彼を、またまた気づけば見つめてしまう。


また印象がガラリと変わるものだ。


昨日、初めて見たときは真っ裸。
そのあとは浴衣姿。

そして今、5月のぽかぽか陽気に合わせたパーカーとカーゴパンツ。


だれの趣味かは分からないが、こういうときのためにお客様用として男性スタッフが用意したものだった。



「あの溶けた液体も。俺が知っている石鹸より匂いも良くて、なにより泡が立ちすぎて大変だった」


「…ハル様、ドライヤーはされましたか?」



会話を遮断させてしまったほど、艶やかさを増した黒髪に目が向かった。

タオルで完全には拭ききれていないようで、ポタポタと滴っている雫。



「どらいあー…?」


「髪を乾かすものです。それだとまた風邪を引いてしまいますから…」


「ああ…、そんなものもあるのか…」