「はあ…っ、はあ……!なんだよ……これ…ッ」



エンジン室のガス菅。

そばにあったパイプのようなもので打撃を与えたのは1回だけ。


たったそれだけで、表面に穴が開いた。


そこで爆発し、俺はもう死ぬものだと思っていたが。

気づけばエンジン室からいちばん離れた場所に来てしまっているのは……なぜなんだ。



「失敗です先生…っ、船がっ、このままでは船が沈んでしまいます……!!」


「構わん!!続けろ!!これが国のため、いずれ来たる世のためなのだッッ!!」


「はっ、はい……!!」



ボカンボカンと、いくつもの場所から聞こえる爆発音。


ジリリリリーーー!!!


鼓膜を突き破ってくるサイレン。

どこかしこから浸食してくる海水、
薄くなってゆく酸素濃度。


崩れ落ちる船内、目覚めぬままに埋もれてゆく仲間たち。


ああ……、
こうして終わっていくのか。

ぜんぶ、ぜんぶ。