「同じなんだよな…」
え……?と、目線だけを上げてみる。
目尻を伸ばしながらゆっくりと首を横に振った彼に黙ると、静かな時が流れた。
おなじ、って、言った…?
似ている、ではなくて?
私は……だれと同じなの…?
「一咲!いったいどういうことなの一咲!」
「…透子さん」
「透子さんって…、どうして大変なときに限ってあんたはいつもいつもそんなに落ち着いてるのよ!外の状況わかってる!?食材手配にここまで走り回る朝なんか聞いたことないわ…!!」
「あ、えと、」
「まったく何名様が来ているの…!団体客?そんなの聞いてないわよ!?」
文句という文句すべてを解放しながらドタバタと現れた、私の世話役。
何事だ何事だと、興味本位に覗いてきた透子さんはすぐに目を点にさせた。