「えっと、おかわり……でしょうか…?」


「……食欲が止まらなくて」



空っぽになったおひつを見せてまで、コクリとうなずかれてしまっては。

膨らんだ頬っぺたや、モグモグと遠慮なく咀嚼する姿に母性のようなものをつつかれて、私は内線電話を手に取る。


厨房へとつづく番号を押せば、『おい何度目だ』といきなり言われてしまった。



「ハル様、ちなみにご飯は…、あと何合いくつもり、で…?」


「もう1升ほど、頼めるだろうか」


「…………」



だそうです、と、伝えるしかない。


熱が下がったあとは食欲が出たんだ。
それは仕方のないこと。

むしろ体調が戻ってくれたのだから喜ばしいことだ。


ここまで食べるとは……さすがに聞いていないけれど。



「それと…、あの、できれば高野豆腐も追加してもらえると…」


『なぁ~にを図々しいことを…!!話術でなんとかお客様を満足させるのが君の務めだろう!!』