注射針を当てられた人間が次々に激しく身体を不気味にも揺らし、しばらくするとカクリと意識を途絶えさせていた。


あれを見て“まだ生きている”と思えるほうがおかしい。


父親がどんどん若者たちを殺してゆく様を見たくなかったという理由がひとつ。

もうひとつは、俺もああされるのかと───…怖かったからだ。



《ガガッ、ジーー、~ーせよ、ーー室のガス管が……よって、ーー、…は、…中止する!!直ちに避難せよッッ!!繰り返す───》



日清・日露戦争を経験し、日本は軍も民も自信を付けた。

今後も必ず国を掲げた戦争が起きるだろうと、先頭を走る海軍の強化は必須。


父がその大役を任されていることは知っていたが、まさか実際あんな非道な計画を企てている主犯格ということまでは想像すらしていなかった。