目が覚めると、必ず生肌に抱きしめられている。

半裸の彼がすぐ隣に寝ている、この全身が熱くなる朝はどうにかならないものか。


そんな私といえば、いつも彼が「風邪を引かないように」と言って着させてくれる。



「そろそろ起きなくちゃ…」



今日こそは「味がない味もあるんだな」とは言わせない。

新品だった調理器具がだんだんと生活感を生み出してきた、今日この頃。



「……出られない…」



毎夜では足りないとぶつけてくるほど愛される日々のおかげで、彼の特殊体質にも影響は出ているはずだというのに。


ぐぐぐ、ぐぐぐ。

びっくりするほど、びくともしない腕。



「…ふっ」



退かしてダメなら抜けてみよ。

なんて思いですっぽりと下から脱出しようと試みていれば、なんとも心地よくて甘い吐息のようなものが落ちてくる。