「ツクモさんとは、どうでしたか…?」


「…とても深い話ができた。行って良かったよ。…手土産がなくて本人は不服そうだったけれど」


「ふふ。今度は私が持っていきます」



誰にも渡したくない。

きみを本当に幸せにできる男かと問われれば、たしかに保証はできない。


俺はこの時代の人間ではなく、過去の人間。
この場所ときみに守られているような男。


でも俺は、きみの許嫁のようには泣かせない。



「ハル様……?」


「……すこし、疲れたな」


「お部屋に戻りましょう。今日はお客様も少ないので作業も落ち着いていますから」



俺は心配になるよ。
どうしてそこまで疑わないんだ。

こんなもの、きみを部屋に連れ込みたいがための口実だというのに。



「ハル様は普通より体力があるぶん、きっと疲れも人一倍だと思うんです」