伊作だって……。
伊作だって、父さんに騙された1人だ。

あの場所で死んでいったんだろう、俺以外のみんな。



「……あの人は、なにをしていたんですか…」



人を殺して虐殺犯になったのか、父さんは。


難しい研究をしていたことは知っている。

与えられた立場や役職も、皆から大いに称えられるものだった。



「国からの命だったのだろうな。当時の日本は日清・日露戦争に勝利し、自信だけはあったと同時……他国の脅威に恐れてもいた」


「…そこに対抗する計画として、人物兵器を開発しようとしていた…のか」


「ああ。失敗と終わったようだがな、…歴史では」



歴史はどうとでも言える。
なんとでも塗り替えることができてしまう。

まるでそう言うように、ツクモさんは動揺に震える俺を慰めるような言葉を続けてきた。