「たのむ…、でなければ本当に止まれないぞ、」



なぐるって、殴るって…。

止まれなかったらどうなるの。
止まらなかったら、どうなるの。


筋が通ったたくましい腕は、胸から徐々に下へと降りてくる。


ここでは、嫌だな……。


たったのそれだけだった。

私が彼を止めようと思った理由は。



「……………」



そして最終的に私が行使したやり方といえば。

むにっと、頬っぺたを伸ばす。



「と、止まって、ください」



不思議なことに視界は慣れてきた。

あれはチカチカと意識が飛んでしまいそうな現象だった……らしい。



「…この時代はそんなにも可愛いものなのか」


「……明治は、どのようですか」


「女は平手、男は拳…かな」



「本当にすまない」と謝ってから、私の着物を戻してくれる。

最後まで優しく、徹底された動作で。