単純だけれど、難しい。
簡単なようで、躊躇う。

それは私も同じだった。



「……だれか…、その女性を見つけますか…?」


「…そうしたとしても、俺のほうが駄目だろうな」



なにをホッとしているの私。
よかった、じゃないよ。

せっかく解決策が、方法が見つかったというのに。



「あの方法は俺の気持ちが強ければ強いほど効果を発揮する。…と、ツクモさんも言っていた」


「…そう、ですね」


「実際のところ、身体のことはどうだっていいんだ。身体のためにするというなら、それこそ女性を道具として扱う最低行為でしかない。それだけは俺が俺に許せないだけだ」



それならば、ひとつしかない。


彼が心から愛する人と、相手も同じくらい愛を与えてくれる人と、ただ愛しあうだけ。

自然法則に沿って本来の身体に戻ってゆく方法は、それだけ。


……こんなにも苦しいだなんて知らなかった。