「───……ふふっ」



今日は朝からすごく良い天気で、雨なんか1ミリも降らなかった。

通り雨にやられてしまったんです、なんて言い訳も考えたけれど、ぜったいダメ。



「もう、ハル様まで浴びることなかったのに…!」


「……お揃い、いいだろ?」


「はい。うれしいです」



どうしてこんなに楽しいんだろう。
どうしてこんなに嬉しいの。


だって、ひとりだったら起こるはずもない失態だ。

ひとりで水やりをしていれば、こんなことはなかなか起きない。


ふたりだったからこその、アクシデント。



「…きみはやっぱりそうやって笑うんだな」



両手を口元に持っていって、密かに笑う。

大口を開けて笑うことに慣れていないのだ。


おしとやかにしなさい、
だらしがなくするんじゃありません。


この場所でそう教えられてきたこととは別に、私は昔からこんなふうに笑う。