「つぼみ…さんは、私に似ていらっしゃるのですか…?」
顔ですか、声ですか。
どちらを言われたとしても、必ず私は悲しくなる。
「…ちがう。おなじなんだ」
言いたいから言う、ではなくて。
聞きたいから聞いた、でもなくて。
無意識に出ていた質問を、彼が真面目に繋げてくれただけ。
「───同じ、なんだよ」
花びらや蕾だけでなく、葉にもまんべんなく水が与えられる。
静かに静かに、穏やかな時間が流れた。
あなたは過去の時代から、未来に生まれた私に会いにやってきたのかな。
それもまた素敵だね、うれしいね───偽りのない確かな“私”の気持ちだった。
「ハル様、このボタンで強さや幅を変えることもできるんです」
「これ?」
「はい」
猿股、蒸気自動車、乗合自動車、蒸気機関車。
すべて明治後期から日本に浸透していった文化のひとつ。