私は引き取られてから初めて先生の作品を読んだ。

それからというもの、私は先生のファンだった


「是非、私は先生のファンですから」


先生は優しく頷くと、また原稿に目を向け、世界に没頭しているようだった。



先生の部屋を後にすると、私は足取り軽く階段を下り、掃除や洗濯を始める。

これが私の仕事なのだ。


先生には奥様が居ない

と、いうのも先生があまりに執筆に対して没頭するので奥様が逃げたのだそうだ。