「先生、おはようございます。また徹夜ですか?」


「…ああ」


先生はいわゆるミステリー作家で、何度かドラマや映画になっているほど有名な人だった。


そんな先生は今年で46歳

16歳で引き取られた私はもう5年もここでお世話になっている。


「コーヒー、置いておきますね。少しでも休まれないと、体に障りますよ」



先生の吊り目で細い瞳が私を捉え、少し間ができる


「…今回の作品…これは完成したら、君に一番に読んでもらいたい」