というのも、生理や妊娠と言ったことで女性は体重が増加しやすい傾向にあるからだろう。

勤務していた頃に比べて、森脇さんも少しふっくらしている。


「私、矢田ちゃんの結婚式は絶対参列するからね」

「えぇ? 気が早いですよ」

「そんなことなわいわよ。きっともうすぐよ」


森脇さんが、嬉しそうにそう言ってくれる。

どうなんだろう。
匠真は、私とずっと一緒にいるつもりみたいだけど……。

そんなことを考えていると、森脇さんが抱っこしている赤ちゃんがふぎゃふぎゃとぐずり始めた。
そろそろ授乳の時間なのかな?


「ごめん、そろそろ帰るわね。その前に、ちょっと五十嵐先生の顔でも見て帰ろうかな」

「そういえば、匠真も森脇さんが元気か気にしてましたよ」

「本当? じゃあ、ちょっとナースステーション寄って帰るね」


大きなバッグを抱え、手を振りながら病室を出て行く森脇さん。

彼女がいなくなり、静かになった病室。ベッドに横になり天井を見上げた。

……赤ちゃん、かわいかったな。
うらやましい。

まだこの世に誕生して間もないけれど、きっとあの子には色々な未来が待っている。

病室に横たわっている私とは、違うんだ。
私なんて、1月の自分の誕生日を迎えることすらできないかもしれない。