「お名前を伺ってもよろしいですか?」

「私の名前は、三日月 朱音、18歳です。弟は、三日月 春(みかづき はる)13歳。母は、三日月 優奈(みかづき ゆうな)48歳です」

(冷静すぎる)

今まで、家族が殺された人はよく見てきた。それら全ての人は、泣きじゃくって何も話せない人、今は話せないなどだった。

(やっぱり、犯人か?)


「犯人の特徴はわかりますか?」


「男です。175前後くらいの。上下黒のスウェットで、黒い帽子を深くかぶっていました」

特徴が具体的すぎる。何より、被害者の表情がつかめない。

「なるほど。なぜ殺されたか、心当たりなどがありますか?」



「ありません。母も弟もとても優しいので。きっと、強盗に入ったんだと思います。部屋を漁っていたので、」

たしかに、部屋は荒れている。強盗に入ったら、人がいてってことか?


「最後に、他に家族はいらっしゃいますか?」


一番、大事なことだ。