夢だ。

すぐにわかった。

お母さんと春がいたから。


「ママが死んだらこの箱を開けてね」


私が3歳の時の記憶だ。


「なんで?おかーさんは死なないよ!」


私のその言葉にお母さんは困った表情を浮かべた。


「うん。そうだね。でも、万が一死んだら開けてね。覚えててよ」


その言葉を最後に夢から覚めた。

小さい頃、耳にタコができるぐらい聞いた話。

なぜ、今まで忘れていたのだろう。

すぐに、物置などを探す。


「あった...」


使わなくなったものを入れていた、物置の奥にひっそりと置いてあった。

そこには手紙が入ってあった。