「裏口から出よ」 学校へ行く準備をした後も、ずっと私の家の前にいるのをニュースで見て、荷物を持ち、裏口から出た。 スマホで続きの中継を見る。 見るとインターホンを押しているところだった。 《出ませんね。すみませーん!インタビューいいですか?》 そう聞いている。仕事だから仕方ない。この世の被害者の方々はそうやって割り切っているのだろうか。 「私には無理」 ぽつりと呟いた。