「ルールですが、1つ私が決めてもいいですか?」


有本さんが、そう言ったのにどうぞと言い返す。


「敬語無しにしましょう、お互いに。あと、名前も瑠奈と呼び捨てにしてみらって結構です」



急にぶっ飛んだことを言い出した。



「年上の方に敬語無しの呼び捨てですか」


「はい。距離感が苦手で、お願いしてもいいですか」


あ、何かある。直感的にそう思った。


「わかりま、じゃなくてわかった。瑠奈」



「ありがとう。朱音」


警察官と被害者の奇妙な生活は、まだ始まったばかりだ。