「お疲れ様でした。ありがとうございました」
警察官が見送りをしてくれた。
「いえ、こちらこそありがとうございました」
「これからどうするんですか。家とか」
心配そうな顔で私を見てくる、警察官。
「家はあのままあそこに住みます。掃除とかそれが終わるまでは、ネカフェに寝泊まりします」
「もしよければ、私の家に泊まりますか」
「いえ、そこまでお世話になるわけにはいきません」
「私はほとんど、家にいません。自由に使ってくれて構わないので」
ぎゅっと手を握りしめて、下を向いたままそう言ってきた。
「そこまで言うなら、しばらくの間お世話になってもいいですか」
「はい!もちろんです」
こうして、警察官と謎の短い期間の2人暮らしが始まった。