「ありません」


「即答ですか」


警察官はまた、私から顔を逸らす。


「本当は、これを見た後に言うつもりだったんです。でも、やめました。興味が湧いたんです」

少し楽しそうに警察官は言う。


「きっと、断ると思っていました。ありがとうございます」

そう言って、警察官は私に頭を下げる。


「あなたは、あなたのままで生きていってください」

私に向かって、ふわりと微笑んで警察官は言った。それは本当の笑顔だった。