「これを見て何をしろというのですか」


「これから取り調べをします。それを見ていただこうかと思いまして」

私の方は見ずに、犯人の方を見ながらそう言った警察官。

「それは、被害者遺族全員にやっていることですか」

「いえ」


警察官は私の方を見ようとしない。


「極たまに、このようにしろと、上からの指示が出ることがあります」


「それは、どういうことでしょうか」


「今通っている高校を辞めて、警察学校に通う気はありませんか?」


初めて警察官は私の方を見た。