戸田の言葉を途中で遮ったのは安田だった。


(どうしたんだろう?)


そう思って視線を送ると、バチンッと音がしたかのように安田と視線がぶつかった。


「俺から、福森さんを推薦します」


(え……?)


予想外の言葉に澄恵は目を丸くして硬直してしまった。


「なるほど。福森さんは確かによく仕事をしてくれているわよね。給湯室でおしゃべりをしている2人とは違って」


戸田がチラリと美穂と文音へ視線を向けて言う。


2人は同時に気まずそうにうつむいた。


「私も福森さんが適任だと思います。福森さん、あなたはどうですか?」


「わ、私ですか!?」


突然の展開に全然ついていけない澄恵は、ただオロオロと周囲を見回すばかり。


しかし、こちらへ向けられている視線は期待と、そして少しの妬みの色しかなかった。