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「ハァ…。まさか夏希と高校までいっしょになるなんてね〜」

「は?それはこっちのセリフだし。心春こそ、そんなに俺と一緒がよかったか?」

「…はいはい」

「おい、嫌そうな顔すんな。普通に傷つくぞ」

高校の入学式。

私の隣には、嫌ってくらい見知った幼なじみの斉田夏希が立っている。

「ほら、心春ー!夏希くんも笑顔でね〜。せっかくの入学式なんだから」

「夏希、ビシッとしなさいなー!」

私の母、千秋(ちあき)と夏希の母、真冬(まふゆ)さんが私達に向かって声をかけながらカメラを構えていた。

笑顔でと言われても、若干引きつってしまうのもしょうがない。

だって、夏希と今みたいに、正門で写真を撮るのも恒例行事になっていたから。

思い返せば、ヤツとは幼稚園の入園式から今までずっと同じ。

母親同士が仲が良くて、たまたま家が隣同士の私達は所謂(いわゆる)、幼なじみというやつで。

物心ついた時には、常に私の側には夏希がいた。

未だにキャッキャッとはしゃいで写真を撮る母親を横目に私はコソッと夏希に向かって声をかける。

「夏希って、私に進路教えてくれなかったじゃん…!頭良いんだからてっきり県立行くと思ってたのに何で、私立に来たのよ」

「まぁ、頭良いのはその通りだけど。こっちで特待生もらっちゃったし。学費全額免除なんて親孝行だろ?」

「…特待生なの!?じゃ、もしかして今日の入学式の代表って」

「俺だな」