どうやら高校でも、また俺のせいで他の女子生徒に絡まれるのではないかと気にしていたらしい。
そっか…俺のせいで心春に迷惑かけてたんだな…。
中学時代、おそらく俺に告白をしてきた女子たちが、幼なじみというだけで、俺の近くにいる心春をやっかんだのが原因。
それなら高校では初めから俺の方が、"心春を好きだ"と公言すればいいじゃないか?
そんな考えが、ふいに頭をよぎった俺。
翌日から早速行動に移すことになる。
心春には嫌がられたけど、休み時間、暇さえあれば隣のクラスに行き、様子を見に行った。
まぁ、これは隣のクラスの男子を牽制する意図もあったのだが…。
その成果もあってか「俺が心春に片思いをしている」と言う事実は、またたく間に学校全体に広まり…。
いつの頃からか、周りのクラスメイト達も俺と心春のことを応援してくれるようになっていったのだったー…。
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まぁ。当の本人は、全く気づいてなかったみたいだけど。
以前、心春の友達の胡桃ちゃんから「夏希くんも苦労するわね」と哀れみの視線を向けられたことを思い出し、苦笑いを浮かべる。
全く彼女の言う通り。
でも、俺の努力と、胡桃ちゃんのおかげで心春に絡む女子はいなかったみたいだから、安心したけどな。