「い、いや…えっと。彼氏とかじゃないよ!ただの幼なじみで…」

彼氏に間違われるくらいなら、もうこの際、本当のことを話してしまったほうがマシだと諦めた私は小さな声で彼女達にそう告げた。

「幼なじみなんだ…!峯さん、うらやましい〜」

「斉田くんだっけ?イケメンだよね!」

「心春〜。幼なじみとか言いつつ、彼、家まで来る仲なわけね〜??」

他の女子たちに混じって、沙奈まで便乗してくる始末。

結局、私は残りの昼休みの時間の間中、クラスの数名の女子と沙奈から、夏希との関係性を根掘り葉掘り聞かれる羽目になったのだったー…。





夏希…許すまじ…。
チャットでメッセージくれれば、こっそりお金だけ渡すことだってできたのに。

まぁ…もう、今さらなんだけどね。

フッと自嘲的な笑みを浮かべ、私は机の上に頰杖をついた。

…だって、ほら。

「ねぇ…あの子がそうらしいよ?」

「あぁ、斉田くんの幼なじみっていう」

すでに隣のクラスの女子たちが噂を聞きつけて、私を見に来てるんだもの。