「えっ!?嘘、心春ちゃんめっちゃ可愛いから絶対彼氏いると思ってた…!」

大きな瞳をパチパチさせて、私を見つめる沙奈ちゃん。

「ありがとう。でも、本当にいないんだよね〜…。私も高校では彼氏できるといいんだけど。てか、それを言うなら沙奈ちゃんだよ。めちゃくちゃ可愛いし彼氏いるんでしょ??」

「ああ〜…。まぁ、いたんだけどさ。中学卒業を機に別れたんだよね。だから今はフリーなの。絶賛、彼氏募集中」

フフッと不敵に微笑んだ彼女の言葉に、クラスの男子生徒がピクッと反応を示したのが見て取れた。

沙奈ちゃんの話に聞き耳を立てているのバレバレだよ…。

「沙奈ちゃんならすぐ彼氏できるよ〜。私が男だったら放っとかないもん」

「ふふ。ありがとう。私も心春ちゃんみたいな可愛い男の子だったら一発オッケーだしちゃうよ。てか、もう"ちゃん"ってつけるの面倒だし呼び捨てでもいい?私のことも"沙奈"って呼んでくれると嬉しいな」

ふ、フレンドリー!

「う、うん!もちろん!じゃあ、私も沙奈って呼ぶね」

沙奈ちゃん…いや、沙奈の素敵な提案に全力で首を縦に振った。