ーー…リリリリ。ジリリリリ。
「…っ。ん〜…今、何時…?って嘘でしょ!?7時半!?!?」
けたたましい目覚まし時計の音が部屋中に響く。
私は眠い目をこすりながらスマホで時間を確認し、一瞬にして覚醒した。
「もう。何で!?目覚ましちゃんと6時半にセットしたのに」
慌てて真新しい制服に袖を通し着替えを済ませると、1階のリビングに駆け込む。
「ちょっと、お母さん…!何で起こしてくれなかったの〜。あと15分で家でないと遅刻しちゃうのに」
「何言ってんの?自分が起きないのが悪いんでしょ。ほら、おにぎり準備してあげたから学校で食べなさい」
「……うっ」
母の言い分が正論過ぎてぐうの音も出なかった。
その後、素早く洗面台で顔を洗い、歯磨きを済ませ、再度リビングに戻ってきた私。
「そう言えば、さっき新聞を取りに郵便ポスト見に行った時、夏希くんとすれ違ったわ。中学時代は、寝坊するあんたを起こしに来てくれてたけど…さすがに高校生になってまであんたの世話をしてもらうのも申し訳ないしね〜」
思い出したようにそんな話をする母に私は、ジトッとした視線を送る。