そのままちらりと私に目をやった白凪が「おや?」と一言呟きながらくすりと笑った。

「お嬢様、今日は髪に寝癖がついていますよ。」


「えっ、嘘!? どこ!?」

慌てて髪を抑えるけど寝癖の場所がどこか見つけられない。


わたわたと焦る私を見て白凪はもう一度笑った。


「ここ、ですよ。杏優様。」

白凪がすっと私の髪へ手を伸ばし、寝癖の場所をおさえた。


「ここかぁ。ありがとう白凪。良かった、見つかって。」


お礼を伝えながら私は重要なことに気づいてしまった。