別れを切り出されて急に焦りだした冬弥がまず言った言葉は私への謝罪ではなく、私の両親への口止めをお願いする言葉。






私の父は会社の社長をしていて、将来私と結婚した人に会社を任せたいと冬弥に言ったらしい。父の冗談だけど……。この様子だと、私と付き合ってた理由は社長の座が目当てだったっぽい。





バカバカしい。





自分のことしか考えてないことに落胆しながら、冬弥の願いに何も言わず教室を出た。






廊下を歩いていると、後ろから私の名前を呼ぶ声がしたけど、きっと気の所為だと思う。





さようなら、私の初恋。