――――放課後




「わざわざ教室で聞きたいことってどうしたの?」




いつも通りの優しい口調。




「咲?」





いつも通り私を心配してくれる時の表情。





どれも全部浮気を隠すためだったなんて将来役者にでもなれるんじゃないだろうか。





「冬弥と同じクラスに三枝ひなのさんっていう人がいるでしょ」





「っ!」





目を見開く冬弥。




名前を出しただけで動揺するなんて、やっぱり役者の才能はないみたい。