父親の怒りは止まらない。当たり前だ、今目の前に娘を見殺しにした男がいるのだから。 「お父さん、それくらいで……」 母親は静かに怒っている。 「謝罪をされても、私たちがあなたを許すことはありません。ただあなたは娘を助けなかった。そのことだけ覚えて生きてください」 「進くん、ありがとう」 「俺の自己満足かもしれませんが……」