今度はちゃんと冬弥の顔を見て言う。





「私たちに近づかないでって言ったの」






「まだそんなこと言って――」






「そこまでにしなさい」






小さい子を諭すような、それでも威圧が含まれている声で静かに放たれた言葉。







「お父さん……なんで」






今日は出張だって聞いていたのに、目の前にはお父さんの姿がはっきりと見える。






「俺が呼んだからだよ」