「こいつの家は金持ちなんだよ。知ってて近づいたんだろう、咲こいつはやめとけ。俺と別れた後、急に現れたなんて騙されてるんだって」 「………………」 「ほら、何も言わないってことは咲も薄々分かってたんだろ?そんなクズはやめて俺の所に戻ってこいよ。お前も、早く咲から手を離せ」 私の元へ近づいてこようとする冬弥。 「近づかないで」 ピタ―― 私の声に足を止めた。 「今なんて言った?」