…これは…。
わたしもこころちゃんに乗じて、挨拶をするしかない。
尊くんのほうを見上げて、声を絞り出す。
「尊くん、おはよう…」
そしたら、尊くんはそっぽを向いてしまう。
え…? へ、変な顔してたかな?
「…おはよ、花音」
だけど、ちゃんと返事はしてくれるから…。
うーん。わたし、まだ尊くんのこと全然わからないな。
「へぇー、そっか、尊…お前…」
「うるせ」
「いっ……たぁ~!!」
何故かニヤニヤしはじめる絃くんの足を思いっきり踏む尊くん。
うわぁ…痛そう…。
「あ、見て、一年生のムカデ競争はじまるっぽい」